融資の際にはバランスシートが最重要です。
バランスシートの次に考慮されるのが、「バランスシートのマイナス分を給与年収・家賃収入で返済できるか」という点です。
この点を審査する際に、過去2~3年の確定申告書を提出するわけですが、ここで赤字申告続きですと大きなマイナスポイントになります。
「税金を減らす」という目的からはできるだけ大きな赤字が望ましいのですが、「次の融資を受ける」という目的からは黒字が望ましい・・・
目的によって確定申告書の記載内容も変わるのです。
また、青色申告特別控除や土地負債利子によっては、赤字でも黒字でも納税額が変わらない状況もあります。
そのような状況の場合には敢えて黒字で申告しておくことが得策です。
(例)
家賃収入 1,000万円
諸経費・減価償却等 △800万円
借入金の利子 △400万円(うち土地対応分△200万円)
青色申告特別控除 △65万円
① 一般的な確定申告
1,000万円-800万円-400万円=△200万円(青色申告特別控除は赤字の場合、控除できない)
土地負債利子△200万円があるので、この△200万円は他の所得との合算、繰越はできない。
② 融資を考えた確定申告
1,000万円-535万円-400万円=65万円(青色申告特別控除があるため、税金は課税されない。)
諸経費・減価償却の800万円を敢えて535万円で申告する。
この①、②はともに納める税金は全く同じになります。
しかし、融資の審査の際には200万円の赤字と65万円の黒字では大きな差があります。
経費の減らし方にもポイントがあります。
様々な手法がありますが、経費とできる金額を無駄にせずに大幅に経費を圧縮するには減価償却の工夫が有効です。
即時償却できる資産の取得を通常の減価償却にする。
(例)1台15万円のエアコンを10台取り付けた
① 一般的な確定申告
青色申告者は30万円未満の資産は即時償却できるため、150万円全額を経費にした。
② 融資を考えた確定申告
一括償却資産として1/3の50万円を経費にした。残りの100万円は次年度、次々年度で経費化する
③ もっと融資を考えた確定申告
減価償却資産として1/6の25万円を経費にした。残りの125万円は5年間かけて経費化する。
その他、最終手段として経費の領収証を敢えて経費として申告しないという手法もあります。
なるほど すごく勉強になりました。
先日年収条件に3万円足りず悔しい思いをしたところです・・・
この方法を知っていれば。。。
減価償却費をあえて少なく申告した場合
翌年は遡って正しく計算し直したものを申告でよいでしょうか?
少なく申告したら未償却残高おかしくなりますよね?
めぐたんさん
コメントありがとうございます。
個人の場合は減価償却費をあえて少なく申告する方法は使えません。
(ご指摘の通り、翌年がおかしくなってしまいます。)
個人の場合は即時償却・一括償却・減価償却(定額・定率)を使い分けたり、修繕費とできるものを敢えて減価償却にする・・・
といった方法が一般的になってきます。
この辺でも減価償却費を任意に減額できる不動産所有法人が便利ですね。
どれだけ黒字にするかなど、勉強になりました。
次の確定申告の黒字幅の目途が立ちました。
融資を考えた黒字は、複数不動産を所有している場合でも、個別はマイナスが出ていても、総合計黒なら、黒字と判断されるのでしょうか?
みけさん
コメントありがとうございます。
銀行融資の判断は各金融機関によって基準が違いますし、公表されている物でもありませんので「絶対にこうだ!」というものではありません。
その上で、複数不動産の場合には総合で判断しているものと考えられています。
「税務上の総合黒字と、CFでの総合黒字を計上する」
これは、最低限満たしておきたいところです。
さらに「金利上昇(4%程度)、一般的な修繕比率に修正などの負荷をかけても上記の基準を満たしている」とより良いでしょう。