「毎年の税金対策のために投資不動産を買いませんか?」
不動産に特化した税理士の私にまでこんな勧誘の電話がありました。
バブル期は賃貸収入が赤字でもそれを上回って不動産価格が上昇したので、有名な節税手法でした。
今でも「投資用の不動産を買えば節税になります!」と広告を打っている業者も見受けられます。
そのカラクリは次のような手法です。
① 給与収入による税率が高い方が
② 不動産投資で赤字を出し
③ その赤字を給料と相殺して給料から天引きされた所得税・住民税の一部を取り戻す
という流れになります。
所得税と住民税の税率が高い方に取っては魅力的な節税商品に映るのか、今でも年所得2,000万円以上の高所得者層で無計画に購入してしまう方が見受けられます。
この手法には2つの大きな落とし穴があります。
1つはそもそも赤字を出している(損をしている)ということです。
バブル期はこの赤字を上回って不動産自体が値上がりしていました。
不動産市況は持ち直しを見せてはいるものの急激に上がることは考えづらいので、節税効果以上に不動産投資で損をする可能性があります。
節税を図りながら、不動産投資で損をしないようにキャッシュフローは黒字、税務上の利益は赤字となるような物件を選定することがポイントです。
2つ目は赤字を出すことによるデメリットがあることです。
個人の不動産所得が赤字になると
① 次の融資を受けづらい
② 土地負債利子分は給与所得と合算できない
③ 青色申告特別控除の適用を受けることができない
というデメリットがあります。
特に①の次の融資を受けづらいという問題が大きいですね。
この手法によく使われる木造築22年以上のアパートは4年で減価償却が終わり、節税効果が切れます。
となると4年毎に購入し続けなければ節税効果が続かないのです。
譲渡所得の税率が39%→20%に下がる5年後に新しい不動産を買い直す戦略であればお勧めできます。
まとめ
所得税対策目的で不動産投資をしてもいいのは
次の融資の必要がない、税金対策としてだけ購入を考えている方
次の融資の必要がない、現金で購入予定の方
不動産所得の黒字の対策の方(不動産所得が赤字にならない)
の3パターンに限られます。
不動産事業拡大目的の方は初年度を除き、赤字を出して節税することを考えてはいけません。
コメントする